麦酒の栞:クラフトビールを知る

クラフトビールのことを知りたいと思ったら、またはクラフトビールに夢中になっている人と友達になりたいなら、クリアしなければならないステップがたくさんあります。クラフトビールは、種類が多く、何百もの異なるビールがあり、選ぶのに躊躇してしまうことがあります。誰かにワインを楽しんでもらおうとするのは難しいことですが、それと同じように、わずかな知識もなくクラフトビール通になる方法を知るのは非常に難しいことです。まずは、飲みやすいものから初めて、徐々にいろいろな味に挑戦することをお勧めします。個人的な経験から、クラフトビールだけでなく、入手可能なすべてのビールを味わって飲めるようになるには、1~3年程かかるでしょう。

小学校レベル

ビール学習は、通常バドワイザーなど大手ビール会社の飲みやすいビールからスタートします。このようなビールは水の味しかしないと冗談いう人も多く、たいていの場合は当たっています。ビールはだんだんと好きになっていく味なので、時間をかけて徐々に慣れ親しんでいく必要があります。まず始めにすることは、飲みやすいビールを探すことです。ファームハウス・エールはスタートには向いていません。すぐにクラフトビールを嫌いになってしまうでしょう。しかし、ピルスナーウルケルから始めれば、必ず良質なビールを楽しむことができます。ピルスナーウルケルは、現在、アサヒビールが醸造所を所有しているので、クラフトビールではありません。しかしビールというものを知るには良いスタートです。

ライトビール

大手ビール会社の飲みやすいビールを楽しめるようになったら、次はライトクラフトビールの番です。ゴールデンエール、ラガー、ピルスナーを飲むと、クラフトビールが大手ビール会社のビールと同じくらい良質なものであることがわかると思います。ただし、フルーツ味が好きでない人は、フルーツビールはお薦めしません。一般的には味の違いはわずかしかありませんが、原材料の質と熟成した味わいの麦芽によって大きく変化します。

おススメのビール

ペールエール

次のステップはペールエールです。非常に幅広い種類がありますが、ペールエールに接頭語や接尾辞がついているものは避けてください。ただし、セッション・ペールエールは例外で、おススメです。プレーンのペールエールがスタートとしては良い選択です。これらのビールは、ライトビールよりも濃厚な味がします。一般的に強く過ぎるほどの苦味と甘みはありません。ペールエールの中には、苦すぎたり甘すぎたりするものもあるので、適切なペールエールを選ぶことが非常に重要です。万人受けしているペールエールを探しましょう。

ペールエールの第2弾として、ホッピー(Hoppy、ホップがより豊か)で甘みがあるペールエールを見つける必要があります。ホッピーとは、ビールに苦味を加えるホップの風味を表現する形容詞です。ホッピーなビールへの挑戦は注意してください。ダブルIPAやIBU(国際苦味単位)が80のビールにすぐに挑戦してはいけません。そのようなビールを選んでしまうと、すぐにこの種類のビールを嫌いになってしまいます。甘いビールか苦味のあるビールかのどちらを好きかで、次のステップが決まります。次のステップは選択肢が2つありますが、その選択肢のうち片方については、好き嫌いがはっきり分かれます。

おススメのビール

高校レベル

ライトビールとベーシックビールについて学び小学生レベルを卒業した次は、ビールの複雑さをさらに深く学びます。より甘みがあり、木の実の風味と香ばしさが強く、コーヒーの味わいがある濃厚なビールを選ぶことが、ビールを好きになる近道です。

アンバーエール

アンバーとブラウンエールは、ペールエールよりも甘みがあり木の実の風味がするビールです。非常にコクがあり、お腹が満たされます。スタウトやポーターなどのダークエールへの架け橋となります。甘みと香ばしさを楽しめるのなら、アンバーとブラウンエールは、ペールエールの後に選択するには良いビールです。

おススメのビール

スタウト

アンバーに慣れたら、スタウトやポーターに挑戦して次の段階へ進む準備をしましょう。スタウトやポーター中には非常に重みがあるものがあり、十分な食事にもなります。必ずしもすべて重みがあるわけではありませんが、複雑な味わいのため、少し温めて飲んで慣れる必要があります。一般的に、スタウトやポーターをキンキンに冷やすのは良くありません。冷たいダークビールは美味しいですが、時間をかけて楽しんでください。シングルパイントで、しばらく時間をおくと、すべての麦芽の風味が表れてくるのがわかると思います。それを、さらに時間をかけて楽しんでください。

おススメのビール

大学レベル-学士

年頃の不器用な高校生時代は終わり、いよいよ大人になる段階です。ビール学習の大学レベルでは、ホップと酵母について学び理解する必要があります。多くの人にとって、これから紹介するビールは、好きか嫌いかに分かれます。しかし、ビールを理解するには必要です。すべての学習と同じように大学レベルまで行く必要はありませんが、これらのビールを味わっておかないと、ビール通の人は相手にしてくれないでしょう。我々は、そのようなことで判断しませんが。

インディアン・ペールエール(IPA)

IPAはクラフトビール好きが大好きのお気に入りのビールです。少なくともクラフトビール好きの大半がそういうでしょう。アンバーやスタウトに飽きたら、ほとんどの人はIPAに手を付けます。IPAは通常のペールエールよりも最低でも2倍の苦味があるので、苦いビールが好きな人であれば、選択に間違いはありません。IPAの苦さを競っている醸造所もあり、そのような醸造所のIPAには非常に苦いものもあります。IPAは様々なホップを使っており、ビールに複雑な味わいを加えています。IPAの香りは幅広く、苦味の幅もあります。ホップの繊細さを理解したり、暑い日にIPAを飲んで気分転換できるようになるには数年かかるでしょう。

おススメのビール

セゾン

セゾンまたはファームハウス・エールは基本的なサワービールです。クラフトビール通の人たちが好んで飲むクラフトビールです。セゾンは、野生酵母または特定の酸味を出すために栽培された酵母で発酵させているため、酸味のあるビールになります。ビールは酸味が出ないようにするべきですが、セゾンやファームハウス・エールは良質な一定の酸味が出るように作られています。アメリカのグミキャンディー「サワーパッチキッズ」(日本のグミであれば「シゲキックス」)が大好きであれば、セゾンを楽しめるでしょう。なかには、サワービールは全く好きになれない人もいますし、大嫌いな人もいます。ビールの新しい独特の風味に挑戦してみたいなら、サワービールは、何年もビールについて学んだあとでも、ワクワクできる種類の1つです。

おススメのビール

大学レベル-博士

プロのクラフトビール好きになるには、元々はビールとは思っていなかったビールを飲めるようになることが必要です。ビールのような味ではないビールに手を出すのは1つの試練です。このようなビールの市場は非常に小さく、ほとんどの醸造所は作っていません。博士レベルに到達したいと思っている人はほとんどいないでしょう。しかしビールのこの幅を知ることは、興味があると思います。あなたの好みではないかもしれませんが。

フルーツビール

クラフトビールを知らない人は、フルーツビールを偽物のビールと思っています。これは、フルーツビールには大きな差あるために、真実とは程遠い考え方です。フルーツビールの問題は、適切なバランスを見つけることです。ビールの中のフルーツの味わいを強くしたり弱くしたりするのは簡単です。クラフトビール学習のどの時点でもフルーツビールをすぐに味わうことができますが、クラフトビールを作る難しさを学んだあとに、フルーツビールを試されることをお勧めします。ジュースの味しかしない酷いフルーツビールの世界を知ることも勉強です。

おススメのビール

スパイスエール

スパイスエールは数値化するのが難しいビールです。スパイスエールには、濃いスパイスエッグノッグのように香辛料が効いているものや、スパイスが入っているとは全く気が付かないくらい非常に軽く爽やかなものもあります。スタウトに慣れた後に、スパイスエールを試すことをお勧めします。通常は非常にアルコール度数が高く、香辛料が豊富に使われていますが、最近では、香辛料を少しだけ加えたスパイスエールもたくさんあります。非常に独特な風味があり、万人向けではありませんが、挑戦するにはもってこいだと思います。

おススメのビール

バーレーワイン

バーレーワインは基本的にアルコール度数が高いビールです。良好な味わいにするために、少なくとも1年はバーレーワインを熟成させます。もっと早い段階で飲むこともできますが、その場合は非常にアルコール度数が高い味わいになります。このビールについては非常に注意が必要ですが、熟成したものであれは、良質な味を楽しめます。

おススメのビール

注:すべてのビールが1年中入手可能なわけではありません。なかには季節限定や、生産中止のものもあります。しかし、我々は、おススメとして1年を通して入手できるビールを見つけるために最善を尽くしました。

*ブリマー・ブルーイング:ポーターの写真はブリマー・ブルーイング様のご厚意により拝借しました。

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