Be Easy Brewingのギャレスさん Be Easy Brewingのギャレスさんとは? Be Easy Brewing(ビーイージーブルーイング)は、東京のクラフトビール業界で徐々にですが、その名が知られてきており、Be Easy Brewingのビールがそれを物語っています。ファンお気に入りのビールの1つはRayのミルクスタウトです。 最初のビールは2016年10月末日に醸造され、その1か月後に発売されました。 Be Easy Brewingの創設者であり、オーナーであり、醸造者は、彼の夢を実現させるために、まさに一からスタートしました。ギャレスさんは、Facebookのレビュワーが書いている通り、「本当に誠実で控えめな人」です。 ギャレスさんは、彼の夢を実現させるために、全財産をつぎ込み、さらに個人事業の銀行ローンを借りました。Be Easy Brewingは投資や市からの助成金も受けてない完全に独立した会社です。ギャレスさんは、建物と醸造設備を直ぐに購入し、自らの手で醸造所を設立しました。彼は自分で彼のタップルームを設計し、スタッフを教育し、醸造所をオープンさせました。まさに、全身全霊で夢の実現に取り組んだのです。 「私は、アメリカ空軍爆発物処理班(EOD)に所属していました。2003年から、再入隊をせずに日本に滞在することを決めた2007年まで軍にいました。それ以来日本に滞在しています。約3年前に青森でクラフトビールを作ろうと決めました。計画は徐々に形になっていきました。そして今ここで10HLの醸造所を営んでおり、その2階で8種類の樽生ビールを販売するだけでなく、日本中にも展開しています。」 -ギャレス インタビュー タイヘイ:ビール醸造を始めたきっかけを教えてください。 ギャレス:休暇でアメリカに戻ったとき、しばらくクラフトビールにハマっていました。友達がビールボトルを渡してきて、試しに飲んでみるように勧めてきたんです。本当に美味しいセゾンでした。それで誰が作ったのか、彼に聞きました。彼は自分が作ったと答え、それが今ここに至るきっかけになりました。 タイヘイ:ギャレスさんのアイデアが本格的な醸造所になるまで、どのくらいの期間を要しましたか。 ギャレス:そうですね、合計すると約3年近くでしょうか。土地を見つけてから、設備を輸入して、私の話を聞いてくれそうな銀行を見つけて、醸造のライセンスを取得するまでの時間は、予想以上に早く過ぎ去っていったように思います。 タイヘイ:醸造所をオープンする上で、最も難しかったことは何ですか。 ギャレス:書類作業です。永遠に続く、終わりのない書類作業です。書類作業のための書類作業が必要で、でも必要な書類を提出したら、また書類作業が発生して。冗談ではないんですよ。1つ1つのことに、用紙作成とハンコが必要なんです。どのような書類作業があったのか聞かれても、正直、答えられません。私のベストアドバイスは、相手が良いと言うまで、無意味な用紙を埋め続けた方が良い、ということです。 タイヘイ:青森を選んだ理由を教えてください。理由はスノーボードやスキーができるからですか。 ギャレス:私は元々、米軍爆発物処理班の技術者として青森に来ました。再入隊せず、アメリカに戻る前に1年間、日本で暮らすことを決めました。それが今や12年も経ってしまいました。私は熱烈なスノーボーダーでしたが、醸造所のこと以外何もできませんでした。昨年やっと開業しましたので、今年はスロープに戻るつもりです。 タイヘイ:お気に入りの飲み方を教えてください。 ギャレス:う~ん、難しい質問ですね。ビールを飲むときのお気に入りの飲み方は、ビールに合った食べ物、適した環境、そのビールに合った季節との組み合わせです。しかし、日が落ちるまでに1種類だけ飲むことができるという条件であれば、サワービールを選ぶでしょう。 タイヘイ:本当ですか?それは何故ですか? ギャレス:サワービールは、とても複雑でワクワクするビールです。製造バッチごとに異なり、良くも悪くも独特な味わいがあります。私にとっては、管理の行き届いた良質なサワービールを手に入れることほどワクワクすることはありません。 タイヘイ:どのような種類のビールを作るのが好きですか。その理由も教えてください。 ギャレス:新しい種類のビールを醸造したり、実験したりすることが一番好きです。醸造所に沸騰で使用したダーク麦芽、新しいフルーティなホップ、ハーブの香りが初めてしたときは、とてもドキドキします。ラガーの発酵の嫌な臭いは消えていきます。すべてがエキサイティングで、実験的なビールは、いつも出来上がりを待つ価値があります。 タイヘイ:一番好きなホップはどれですか。 ギャレス:これも答えるのが難しい質問ですね。これまでもこれからも、新しいホップがあると思っています。アマリロやシムコ―の時代もありましたし、シトラもありました。今はモザイクです。最近では、私はアザッカやデナリを多く使っています。今人気があるものは、3,4年後にはその人気が廃れているでしょう。しかし、今後ずっと1つのホップだけで醸造するよう言われたら、おそらくセンテニアルを選びます。 タイヘイ:Rayのミルクスタウトの名前の由来を教えてください。 ギャレス:私のビールの名前はすべて、青森の方言にちなんだものにしたいと思っています。1つだけ、青森の方言を使っていないビールがあります。それは1年中提供できるビールなので、私が買っている犬の名前にちなんで名前を付けました。というのも、彼は黒い毛の犬だったんです。そのビールもスタウトですし。ロマンティックな話はありませんよ(笑)。 タイヘイ:醸造中もビールを飲みますか。飲まない場合は、マッシング中、どうやって時間を過ごしますか。 ギャレス:いいえ、醸造中は飲みません。完全に集中します。その日のうちに起こっていること、起こす必要があることすべてに集中しようと努力しています。ゆっくりできる時間があったら、ビールについて勉強する時間に充てます。酵母の扱い方や、醸造の裏側、その他の醸造関連の本を読みます。しばらくは、資格認定試験(シセローネ)の勉強に取り組んでいました。 タイヘイ:これまでに作った中で一番良かったビールは何ですか。 ギャレス:私たちが醸造した中で一番人気のビールは、主力の出ビーズ・ペールエールです。もう1つは、のっつどニューイングランドIPAです。これまでの中で私のお気に入りは、ローラルホップ1種類だけを使ったペールエールか、ミルクスタウトです。 タイヘイ:近々、新しい美味しいビールを発売する予定はありますか。 ギャレス:まだ公表していないのですが、ニューイングランド・スタイルのIPAを発売する予定です。このIPAは、1次発酵後に大量のマンゴーを入れました。現在、販売の準備中です。きっと人気商品になると思います。醸造するのが今から楽しみにしているラオホもあります。キャンプファイヤーの前でBBQをしながら飲むのが楽しみです。本当にこの上ない幸せの時になるでしょう。 タイヘイ:私たちはどこで買えますか。 ギャレス:日本の約半分の地域で販売していますが、大半は東京に送られます。確実なのは、両国にあるポパイというお店であれば、私たちのビールを少なくとも1種類は必ず、ほとんど常に提供しています。 タイヘイ:Be Easy は、特定のビールのスタイルを目指していますか、それとも幅広いスタイルを目指していますか。例えば、ドイツや、アメリカ、イギリスのビールや、IPA、フルーツビールなど。 ギャレス:まったくありません。私たちの醸造所を、これに特化したとか、あれに着目した醸造所として、分類したことは一度もありません。アメリカの醸造家のように醸造しがちになりますが、どのくらいの実験と進展があったかという点では、その分類は曖昧になります。 タイヘイ:ゆっくりできる隠れ家はどこですか。醸造所、「ギャレスのアジト」?それとも他にありますか。 ギャレス:私の家の後ろにあるデッキです。どこにいても、醸造所や醸造所に関係することが、私の頭から離れません。醸造所にいれば、結局何かをしてしまいます。そして家に帰るのが遅くなったと気が付くまでに、だいたい6時間くらいが過ぎています。私の家の後ろのデッキはリンゴ園に臨んでいます。他に何もありません。しばらく、リラックスして、そよ風を感じ、すべてのことから解放される気分になります。 タイヘイ:クラフトのようなビールや個人経営のクラフトビール醸造所の近年の買収について、どう思いますか。 ギャレス:まだこの世界では経験がとても浅いので、私の答えは純粋すぎるかもしれません。ベテランの皆様にはご容赦願います。大手企業が“クラフト”ビールを敬遠している限り、私はそれほど気にしていません。どちらかと言えば、そのような大手企業のおかげで、私たちもビジネスがしやすくなっています。というのも、クラフトビールについて知っている人がまだまだ少ないからです。もし大手企業が、平凡なIPAを売り出したら、良質なIPAを作っているのは誰か判明するのは、時間の問題でしょう。大規模醸造所が個人経営の醸造所を圧倒するのを見たことがありません。それは、個人経営の醸造所というのは、実験スペースはわずかしかありませんが、エラーもまた、ほんのわずかしかありませんので。 「売却」について言えば、対象企業を判断する基準を持っている人というのは、実際に同じような状況を経験したことがある人だと思います。買収についてのニュースは頻繁にYahoo!ニュースに掲載されていますが、そのようなニュースに「おー!売却したのか!でも、それはクラフトビールではなーーーーい!」と驚くことも多々あります。しかし、醸造所を所有するという観点では、私は、何が必要かわかっていますし、何一つ簡単なことはありません。必要なことをすべてやり遂げたときには、50歳、60歳になっているでしょう。そして、その先がまだあります。従業員か地方都市、大手企業に売るよりは適切などこかへ、売却の提案を考えます。ラグニタスのようなビールがある限りは、そのような経験はしないでしょう。なので、事業を売却するような人たちが取る選択について、私がコメントできるかと言われれば、私はできないと思います。 タイヘイ:「will work for beer」プログラムを行っていますか。(私は東京から出る理由が必要なのです。) ギャレス:申し出てくるお客さんや、共同の醸造や醸造する日に手伝手伝ってくれる人たちがたくさんいます。そのようなときは必ず、一緒にランチを食べて、ビールを少し飲みます。 タイヘイ:これまで醸造したビールの中で、一番「クレイジー」だったビールは何ですか。 ギャレス:ハチミツとカモミールのビールは、「クレイジー」に入れるには一番かけ離れたビールだったと思います。上手くいくという希望をもって、やみくもに何でもやるのは、好きではありません。前にもお話したように、1種類のビールに12の異なる添加物を入れ、バランスが取れて飲めるものであれば、OKなんです。 タイヘイ:あまりにも酷くて、1バッチごと廃棄してしまったビールはありますか。もしあるなら、そのことから学んだ教訓を教えてください。 ギャレス:酵母の増殖について議論を交わしたものの実行できなかったという地元の研究所と小さな揉め事がありました。発酵槽に移す準備がほぼ整った後に、酵母を取り出しに行きましたが、私たちが約束を取り付けたうちの8%の細胞数にしか満たなかったのです。言うまでもなく、発酵は遅れ、かび臭い臭いがしました。私はそのバッチを廃棄して、同じものを醸造し、適切な酵母を使い、オートミール・スタウトを売り出しました。結果的に、皆さんがこのビールを楽しんでくれました。この出来事での教訓は、緊急時の為にドライ酵母を用意していなかった私のミスだったということです。あれは、まだ初期のころの出来事でしたので、とても良い経験になりました。でも、ちょっと高くつきましたね。 タイヘイ:東京でギャレスさんの金属製のビア樽を見ました。市場に出回っている使い捨てタイプのプラスチック製のビア樽についてどう思いますか。 ギャレス:間違っているかもしれませんが、そのようなビア樽はビールを輸出する人が使うためだと思います。もし環境面に優しくリサイクル可能であれば、それは素晴らしいです。私たちには、ステンレス製が合っています。 タイヘイ:アメリカやヨーロッパに比べて、日本固有の醸造面における課題は何だと思いますか。 ギャレス:どんな国にも乗り越えなくてはならない問題はあると思います。ある場所が隣の場所よりも良いとは言い切れません。税務署の書類作業の記録をつけなくてはならないという唖然とするほど意味のないことに関して言えば、アメリカは醸造には非常に良いと思います。同じように、郵便局が私の醸造所まで集荷に来てくれて、北海道から沖縄まで届けてくれるのであれば、絶対にアメリカよりも利点があると思います。隣の州で作られたビールを、仲介業者を使わないと飲むことができないなんて、私には、馬鹿げたことのように思えます。 タイヘイ:醸造所を所有することについて、最大の誤解は何ですか。 ギャレス:多くの人が、正しいレシピがあれば、その他すべてはそれほど重要ではなく、醸造所を開設することができると思っていると思います。素晴らしいビールを作ることは確かに優先事項の1つですが、顧客や新参者が気付いていないとても多くの様々な設備があり、それは圧倒されるほどです。 タイヘイ:最後の質問です。グラスが無かったら、ボトルと缶どちらを選びますか。 ギャレス:缶ですよ、いつでも。缶で飲むのが大好きです。瓶を選ぶ理由が見当たりません。缶はボトルに比べるとあらゆる面で優れています。軽いし、UVを100%ブロックします。保存もリサイクルも簡単ですし、地球にやさしい重さなので、輸送も簡単です。缶です、絶対に! 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